世界保健機関(WHO)は、1988年に世界的レベルでのエイズまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を図ることを目的として、12月1日を“World AIDS Day”(世界エイズデー)と定め、エイズに関する啓発活動等の実施を提唱しました。
令和5年の新規HIV感染者報告数は669件、新規AIDS患者報告数は291件、合計960件でした。病気が進行した時点で診断される例が多いことから、早期発見が重要な課題となっています。
レッドリボンは、世界エイズデーキャンペーンをはじめ、HIV/エイズに関する運動の世界的なシンボルです。
レッドリボンがエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題となってきた1980年代の終わりごろでした。演劇や音楽などで活動するニューヨークのアーティスト達がエイズに倒れて死亡する増えていき、そうした仲間達に対する追悼の気持ちとエイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため、赤いリボンをシンボルにした運動が始まりました。
レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージです。このレッドリボンの意味を知り、レッドリボンを身につけることによって、エイズをみんなで考えましょう。
今年の世界エイズデーのキャンペーンテーマは、「U=U 知ることから、もう一度。12月1日は世界エイズデー。」です。
治療法の進歩によりHIV陽性者の予後が改善された結果、HIV陽性者は感染の早期把握、治療の早期開始・継続によりエイズの発症を防ぐことができ、HIVに感染していない人と同等の生活を送ることが期待できるようになりました。また、近年では、HIV治療を受け、血液中のウイルス量が検査で検出できない程度に最低6ヶ月以上継続的に抑えられているHIV陽性者からは、性行為によってHIVが感染することがないことも確認されています。
このことは、Undetectable(検出限界値未満)=Untransmittable(HIV感染しない)、略して「U=U」と呼ばれています。治療の進歩でHIV陽性者の生活は大きく変わり、HIV感染の予防にもその進歩に支えられた様々な選択肢が用意されるようになりました。
しかし、現状はそうした変化が正確な情報として十分に伝わっているとは言えず、有効な治療法がなく死に至る病であった時代の認識にとどまっている場合が少なくありません。そのことがHIV感染を心配する人たちを検査や治療から遠ざけ、また、差別や偏見を招く要因の一つになっているとも言われています。
そこで、今年度の「世界エイズデー」キャンペーンテーマは、この「U=U」という言葉を知ることを契機に、もう一度HIV/エイズのことを皆で考えてみましょうというメッセージが込められています。ひとりでも多くの人がHIV/エイズのことを自分の事として捉え、HIV/エイズに関する検査や治療、支援などの知識を身につける契機とし、最新の知識の普及を通じて、HIV検査の受検促進や差別・偏見の解消につなげていきましょう。
また、壱岐保健所では、随時、HIV検査を実施しています。少しでも不安がある方は、検査・相談を受けてみませんか?お気軽にご相談ください。
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